2月 03

阿川弘之。この阿川弘之という人物の知識と言えば、恥ずかしながらエッセイストでタレントの阿川佐和子の父であり作家のみという甚だ情けない知識しか持ち合わせていなかったのだ。

さて、この「大人の見識」だが坂東 眞理子の「女性の品格」で品格流行のこのご時勢に「大人の見識」という本を出版しているところが「大人の見識」に欠けているのではと思いつつ購読した。

序に代えて—-老人の不見識

第一章  日本人の見識  
信玄の遺訓と和魂 
東條の演説
局長ならば名局長
沈黙を守った人々
国家の品位
上手な負けっぷり  

第二章  英国人の見識
獅子文六さんと英国
ベントン虐殺事件
幸福であるための四条件
ユーモアとは何か

第三章  東洋の叡智、西洋の叡智
武士道とジェントルマンシップ
大人の文学
静かに過すことを習へ  
我、愚人を愛す

第四章  海軍の伝統  
精神のフレキシビリティ
ラッパのひびき
最後の訪欧航海
不思議な防空演習
最大の文化遺産?

第五章  天皇の見識
日独伊三国同盟
ヒトラーを礼賛する「民の声」
ポリュビュオスの言葉
「四方の海みなはらからと思う世に」

第六章  ノブレス・オブリージュ
『自由と規律』 
ヘンリー王子と日本の皇族
昭和の陛下の軍事学
第七章  三つのインターナショナリズム
プラウダの匂い
あいつだけ向こう岸
映画『東京裁判』
立派な陸軍の軍人たち

第八章  孔子の見識  
デカンショ節
五分間論語
祖国とは国語
治国平天下
漢学と朱子学
温故知新

この本の冒頭の「序に代えて—-老人の不見識」の最後に

初めに言った通り、自分の若い頃からの具体的見聞や読書体験に即して、時代風潮の移り変り、近代日本の不易と流行について、考え考え話しますから、読者がこれを老文士の個人的懐古談として読んで、自分たちの叡智を育てる参考にして下されば幸いです。

と書かれては、反論のしようがないのだが、あまり気にせず感想を書いてみる事にする。

正直、阿川が上記のように言っている通りの内容である。戦時中を知る文士が第二次大戦時における海軍・陸軍の中枢にいた人たちの話や昭和天皇の話などかなり個人的な懐古録の内容が全体の半分以上を占めているように思えるのである。

さて、全般的に納得出来ないところは、まず第二次大戦中の陸軍や海軍などの軍中枢部にいた人や昭和天皇などが全ての大人と定義している点が納得できない。当時の日本人全般が、軍の中枢部にいた人や昭和天皇と同じ教育を受けていた訳ではないはずだ。

現代の大人たちへの警鐘としての本書の意味を考えるならば、一部の特権階級的な人の事を取り上げて今の時代の大人たち全般と比較するのはどうかと思うのだ。ならば、戦時中の一般の大人たちの見識がどの程度のもので、現代の大人たちがそれに劣ると書かれていた方がまだ納得いくのだが。

阿川が本書で取り上げている、英国人の気質や孔子や武士道について現代の日本の大人は学ぶところは多いと思うのだが、それをそのまま現代に適用する訳にもいかないだろう。現代の日本の大人に適用できる「大人の見識」というものを阿川がいうように、日本の大人はこの本から考えなければならない事は事実だ。

大人の見識 (新潮新書 237)
大人の見識 (新潮新書 237) 阿川 弘之

おすすめ平均
stars一戦争体験者の言葉
stars若輩者にはまだまだ見識が足りない
stars昔の教養人の知恵とユーモア
stars阿川さん健在
stars大人の読書

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One Response to “「大人の見識」”

  1. もへじ より:

    Hisashiさん、こんばんわ。なんか久しぶりのような。

    阿川弘之、なつかしいというか、久しく読んでないですね。

    高校生の頃、「井上成美」とか読んで面白かった記憶があります。

    そういえば「山本五十六」なんかは読んでないな。このへん「大人」になった(?)自分でもう一度読み返してみようかしら。

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